今回、川俣のデメーテルプロジェクト「不在の競馬場」のサポートスタッフとして、川俣ゼミ生が帯広に集いました。CafeTalkのみならず、こちらの作品制作の報告もここでご披露いたします。ほかの作家による作品の写真も一部掲載しています。

なにぶん、慌ただしいスケジュール(しかも台風が来襲!)のなかでの突貫作業となった故、十全に写真が撮れているわけではありません。下にリンクいたしました武部さんのウェブサイトを併せてご覧いただけると良いかと思います。

「不在の競馬場」とは?

 ばんえい競馬は帯広市、岩見沢市、北見市、旭川市の道内4カ所を巡回して行われているので、常に3カ所の競馬場は馬たちが不在となる。この形式が実にユニークだと思い、アートとして表現できないかと考えた。
 そこで、ばんえいが開かれている競馬場で「デメーテル号」と名付けた馬を、開かれていない競馬場では木馬をそれぞれ走らせ、生きた馬と木馬を「表と裏」としてとらえる作品を考案した。馬たちが次の場所へと移り、閑散とした競馬場に木馬が幻のように現れる―。馬のいない場所でいかに馬を表現できるかがポイントだ。
 「表の馬」は先日命名したばかりの北見市の2歳牝馬「デメーテル号」。アート展期間中は岩見沢市でばんえいが開かれ、そこで走る。一方で同じ時期、ばんえいが開かれていない「空っぽ」の帯広競馬場では「裏の馬」である木馬たちが走る。
 木馬のヒントになったのは昨年末にベルギーのアントワープで見たおもちゃの木馬。背中に重みがかかると動く仕組みで、コツさえ覚えれば誰でも乗りこなせる。ただ、今回の作品は「ばんえい競馬」を基に展開するので、木馬の形も「ばんば馬」に似せて足の短い、ずんぐりとした体形になる。できれば来場者が乗れる機会も作りたい。
 木馬のトラックは通常の競技場ではなく、きゅう舎からレース場までの馬が通る道のりに作る。そこで専用の貨幣を作り、木馬たちにかける“裏競馬”を行う。「不在の馬」にかけるという不確実性が、ギャンブルの概念にも通じておもしろい。

川俣正

(十勝毎日新聞2002年6月9日紙面より引用。)



リンク集

http://www.demeter.jp/ デメーテル・ホームページ。

http://www.tokachi.co.jp/demeter/
十勝毎日新聞によるデメーテル関連記事のアーカイヴ。日々更新されています。各アーティストの作品・プロジェクトの内容については、ここでチェック!

http://www.tkb2000.co.jp/bunka/machi/kawamata/KAWAMATA1.htm
川俣の高校時代の同級生の武部さんのウェブサイトから。川俣のデメーテルプロジェクト「不在の競馬場」を、去年12月の段階から、木馬競馬の開催(7月19日)に至るまで、密着取材。多数の写真や、他では見られないさまざまな資料とともに、一級のレポートになっています。必見!


#1 「アートが走る競馬場」
#2 作品紹介──
カサグランデ&リンターラ、シネノマド、インゴ・ギュンター。
#3 作品紹介──
nIALL(中村政人・岸健太・田中陽明)、オノ・ヨーコ。
#4 作品紹介──
ヴォルフガング・ヴィンター&ベルトルト・ヘルベルト。
#5 川俣作品の制作風景から──木道の制作。
#6 川俣作品の制作風景から──試乗と試着。
#7 川俣作品の制作風景から──焼肉と大工。
#8 川俣作品の制作風景から──木馬お披露目。
#9 川俣作品の制作風景から──レースを待つのみ。
#10 川俣、馬券を買う──
「デメーテル」号、岩見沢競馬場にてデビュー。
続く...?



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